【広東語をゼロから始める】目的別おすすめの勉強方法について

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』日本公開から5カ月、トワウォをきっかけに香港映画の世界にも入ってみたりして、もっと色んなことを知りたいと思っています。

映画でもドラマでも字幕や吹替があるからこそ新たな世界を知れるのですが、個人的には「オリジナル言語で何て言っているのか知りたい」欲求が強く、1月頃から広東語の勉強を始めました。

そこで今回は、広東語の勉強を始めるときや、今も勉強しながら考えていることを「目的別、広東語の始め方」ということでまとめてみました。

目次

広東語ってどうやって始めればいいの?

“香港”も“中国語”もどちらもメジャーなのに、“広東語”の入口だけ分かりづらい、みたいなことありません? 少なくとも日本でいう所の“中国語”学習に比べると広東語の始め方はそこまで確立されたものがない気がします(広東語も中国語なんですが)。

勉強を始める前に「そもそも広東語ってどんな言語?」ということが気になる方は、各所でおすすめされている飯田真紀氏の『広東語の世界 香港、華南が育んだグローバル中国語』がおすすめです。私も広東語を始めてからまた読み直しています。

広東語の始め方を目的ごとに

ここから私の経験を基にご紹介しますが、筆者自身もまだまだ初級であるという点はご留意ください。あくまで広東語をこれから始めようという方、始めたばかりの方の目線で紹介したいと思います。

今回の記事における用語定義は以下の通りとさせていただきます。

★主に香港で話されている言葉→広東語
★主に中国で話されている言葉→普通話
★主に台湾で話されている言葉→國語or台湾華語
上記3つについては、話し言葉の側面を優先して書いています。

★上記3つを包括する概念、または書き言葉(簡・繁)→中国語(の書き言葉)

※日本語と中国語がごちゃ混ぜになっていますが、筆者の説明能力の限界につき、すみません

広東語を始めたい!という時に、考えられる目的やケースから以下3つのタイプに分類してみました。

Aタイプ

  • 香港映画で話されている言葉がわかるようになりたい
  • 香港スターの話が聞き取れるようになりたい
  • 香港旅行で現地の言葉をしゃべりたい
  • 中国語は初めまして

広東語の勉強がおすすめ

Bタイプ

Aタイプの目的に加えて、

  • 何かしらの中国語を勉強したことがある

広東語の勉強がおすすめ

Cタイプ

  • 中国語の文章が読めるようになりたい
  • 映画や動画の「中文字幕」がわかるようになりたい

中国語(簡体字か繁体字)の勉強もアリ

広東語の勉強ことはじめ

A,Bタイプっぽいという方は、とにかく広東語から入ってみるのがおすすめです。

中国語が完全に初めてという場合も広東語からでOKだと思います。

思うに中国語はそんなに簡単ではないので、どのルートで行っても最初はしんどいです。ただ、語学においてモチベーションは非常に大切。モチベが維持できる方法ということで、香港関連を強化したい方は広東語から入ってしまうのがいいと思います。

また、後述しますが「広東語もしくは繁体字で中国語を勉強する」のが若干面倒くさいというのもあります。

教材のおすすめ

広東語、何から手を付けるかというと、これは「発音」から入るしかないです。発音を練習するうえでは指針となる教材があった方がいいと思うので、私が実際に見てみたものを紹介します。

ニューエクスプレスプラス 広東語

詳細はこちら。先述した『広東語の世界 香港、華南が育んだグローバル中国語』の著者である飯田真紀氏の広東語入門書。CD・アプリの音声付き、定価 2,970円です。

私は実は別の教材を使っているのですが、ニューエクスプレスにしとけば良かったと思っています。発音や文法、会話の解説がわかりやすいだけでなく、「単語リスト」があるのが良いです。

輕鬆說廣東話

変わり種?というか、ちょっと面白いかなと思って紹介します。詳細はこちらなどをご覧ください。

台湾に行ったときに買った本で、説明は繁体中文です。香港の誠品書店でも見かけました。音声をMP3でダウンロードでき、台湾での定価は499元。

台湾人向けの広東語入門書なのですが、ちゃんと発音の基礎から解説されています。ニューエクスプレス広東語に比べると単語の紹介に比重が置かれており、会話練習はプラスαみたいなスタンスです。

YouTubeの解説動画

いきなり教材を買うのはハードル高いと感じた方は、まずYouTubeなどで広東語の発音について解説されている動画を見てみるのはどうでしょうか。

気になった動画を2本挙げてみました。教材を読み進めるのが難しいなという時に、こういった動画は助かりますよね。

単語や構文を覚える

発音がある程度わかるようになったら、あとは単語や構文を覚える、練習するに尽きます。

私はけっこう教材オタクみたいなところがあるので、この間香港に行ったときもまた本を買ってしまいました。『粵語會話寶典』という本です。

会話に特化した教材で、もちろんMP3がダウンロードできます。定価は118HKD。

マスターしたら結構ネイティブっぽい会話ができるようになるのでは?と期待していますが、筆者はこの教材のレベルには全然達せていません。スピーキングはもとより、リスニングの教材としても良いかもしれないレベル。説明は繁体中文です。

広東語は独学で出来る?

これは難しい問いで、そんな私は中国語教室にさっさと納金してしまったので説得力ゼロなのですが、たぶん独学で出来ないことはない

広東語を独学しようという時に悩ましいのが、やはり発音の問題だと思います。その時に大事なのがネイティブの発音を聞きながら練習すること。なので私が上記で挙げた教材はすべて音声付きを選んでいます。

正直、教材はその人との相性もありますし、好きなのを選べば良いという立場です。ただ、音声付きかどうかはぜひチェックしてください。入り口の場合はとくに。

あと広東語は発音の表記方法にばらつきがありますが、私はあまり気にしていません。表し方が違うだけで発音自体は同じだからです。とにかく音声を聞いて、それをコピーするつもりで練習しています。

音声を聞くのが大事なら、YouTubeの解説動画でもいいのでは? という声もあると思います。筆者もこれには同意で、丁寧な解説動画がたくさん出ており本当に勉強しやすい世の中になりました。

ただ、製本された教材は、その本が目指すゴールに向かって体系的にまとめられているという点で価値があると思っています。あと語学に終わりはないものの、本には最後のページがあることも良い。「ここまでやった!」というのが可視化できるのが本の魅力かなと思います。

広東語(中国語)の書き言葉

以上が広東語の話し言葉についてで、ここからは書き言葉について考えてみます。「話し言葉も書き言葉も同じじゃないんかい!」と思われるかもしれませんが、広東語は話すのと書くのが若干違うんですよね。ここが広東語の難しいところ。

広東語の言文不一致性についてはこちらでもふれています。

ただ、面白いことに広東語・台湾の國語・中国の普通話で中国語の書き言葉は共通です。繁体字と簡体字という違いはありますが、文法は基本一緒と思ってよいと思います。こちらの記事、中国語の共通点と違いが図を交えて分かりやすく解説されています。

「じゃあ広東語と並行して、中国語の書き言葉も覚えよう!」という考え自然に行き着くと思いますが、これまた難しいのが繁体字で中国語の文法を学べるテキストが多くないんですよね。日本では簡体字の教材が圧倒的に多い。

台湾華語の教材

もちろん簡体字で勉強して問題ないのですが、広東語とのシナジーを考えると繁体字の方が効率がいい。そこで選択肢になるのが、「台湾華語」と書かれた教材です。ただこれも会話重視の内容が多いので、文法の強化になるかは悩ましいところ。

繁体字で文法をガチガチにやりたいなら、個人的には大学付属の語学センターが出しているような教材が良いだろうと思います。國語ですが、思いつくのは台湾師範大学の『當代中文課程』とか。當代中文はレベル別に一~六までありますが、師大の卒業生の友達(日本人)曰く「日常生活で使うなら四までで十分」とのことです。

書き言葉がわかることのメリット

どう考えても分かるに越したことはないわけですが、多少読めると良いなと思ったのは、香港の新聞記事などが分かることですかね。個人的には、香港や台湾のファッション雑誌なんかでテレンス・ラウのインタビューが理解できたりすると大変嬉しい。

関連して中国語で書かれた広東語テキストへの抵抗感がなくなりますが、私みたいな買いすぎはおすすめしません。あくまで1冊をしっかり覚えることが大事です。

あとはYouTubeとかで動画を見る時に、広東語が聞き取れなくても中文字幕で動画の大体の意味がわかります。でもこれも良し悪しで、字幕ばかりに頼って耳を使わなくなるという。視覚情報が強すぎるんですよね。

もし試験や仕事などの都合で中国語の読み書きが必要となったら、その時は潔く中国語を勉強するのがよさそうです。同時並行で勉強するのは頭こんがらがります(今の私がそう)。それでも、広東語の発音システムさえ分かっていれば、意識して「広東語で書き言葉を勉強する」ことは可能だと思います。

【まとめ】広東語を始めてみよう

教材を買うも良し、YouTubeから入るも良し。まずは始めやすい形で広東語に触れてみるのが良いと思います。先述の通り発音の基礎固めは大事ですが、そこで行き詰ってしまったらもったいないので、目的や要求されるレベルに応じて進め方も柔軟に変えていいのではないでしょうか。

もっとラフに始めるなら広東語ポップスを1曲覚える、とかでも発音や単語の勉強になると思います。私は次これをやってみるつもりです。

広東語の世界』の指摘によれば、広東語話者は世界に8000万人いると言います。日本語だって色んな話し方をする人がいますが、意思疎通が図れる前提で、極論8000万通りの広東語が存在していいわけです。出来るところからやってみて、自分の広東語の言語パックを少しずつ満たしていければいいと思っています。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • こんばんは!広東語の勉強方法、楽しみに待っておりました!私も教材好きなので、わかる…と思いながら読ませていただきました 笑
    仰っているように教材は自分の好みでいいけれど、これ!というものを選んで繰り返し勉強することが大事だなと実感しています。
    そこからレベルを上げていったり興味の対象を広げて、語学学習は面白いという気持ちを持ち続けていけたらいいなと思います。
    一緒に頑張っていきましょうね!

    • 楽しみにしていただいてたとのこと、大変嬉しいです。いつもありがとうございます!広東語の教材はそんなに無いように見えて、意外に種類あるなと思っています(笑)
      広東語がもっと分かるように私も進めていきたいと思います!一緒に頑張りましょう!

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