よく「家に帰るまでが遠足」と言うが、その対義語は何かと考えてみた。
シンプルに、家を出たら遠足の始まり? 当然それはそうなんだが、あまりにも芸がないのとあまりにも語呂が悪いのでボツにさせてもらいたく、じゃあ何なんだと。
海外へ行く度に思うのは、飛行機から降りて現地の空港に着いても、空港の段階で「海外来たな~」という実感はあまりなく、個人的には空港から出て街中に着いたときにやっと「海外に来たな。」と感じるということだ。

香港映画『トワイライト・ウォリアーズ』を初めて見てから早くも2ヶ月(←いや本当に早い)が経ち、半ば勢いで広東語を始めてから1ヶ月。私の広東語学習の旅はやっとこさ香港国際空港から市街地に出て、スタートラインに立った気がしている。
タレの配合を聞いているかのよう
通っている中国語教室で私は、今のところ2人の広東語ネイティブ先生に教わっている。1人の先生は基本教科書に沿って教えてくれる先生で、もう1人の先生は教科書の内容もさらいつつ、授業の半分くらいの時間を広東語フリートークに使う先生だ。
誤解しないでいただきたいのは、どちらの先生がいい悪いということではなく、ただ教え方が違うという話。
どちらの先生が授業を担当するかは中国語教室に行くまでわからないし、こちらが選ぶこともできないのだが、行ってみて「今日は広東語フリートーク強化先生が担当だ……!」とわかると、やはり少し緊張する。
なぜかというと、授業が始まった瞬間、先生の広東語がほんっとうに聞き取れないから。私も決してふざけているわけではないのだが、マジで何を言っているかわからない。ちょうどトワウォの陳洛軍が、チャーシュー屋の超絶早口おじにタレの配合を教わる感じになっている。

どうしたら広東語が聞き取れるようになるのだろうか?
率直に言って、今回の記事はこの見出し以上のことはない。広東語の授業はまだ数回しか受けていないとはいえ、広東語を始めて1か月が経つのに「自分こんなに聞き取れない?」というのが正直なところだ。
もう1つ絶望的なのが、「自分こんなにも話せない?」ということ。
話せないことに関しては、自分のインプット量が不足していることはわかっている。ただ、授業で使う教科書は音読して練習しているし、じゃあ何をどうすればいいんだ! と、先々週くらいまでいじけていた。
打開策①台湾で広東語の本を買ってみた
「買ってみた」と言っておいて何だが、個人的には語学でも何でも教材を次々と買って増やすのはセオリーではないと思っている。基本は1冊の教材をとにかく繰り返し見て、覚えるのが大事だという立場だ。
ただ、今回は台湾旅行を言い訳にしつつ、誠品書店で広東語の本を買ってみた。理由は、中国語(台湾の國語)⇔広東語の教材は役に立ちそうだと思ったから。
台湾で売っている本なら広東語と同じ繁体字で書かれているし、台湾は台湾で広東語のニーズがあるのではないか……と期待して誠品書店に向かった。
台湾旅行に来てて、誠品書店でこの3冊を購入しました!広東語は日本で教材を探しながら「対日本語訳じゃなくて國語に対応した本も欲しい〜」と思ってたので、本当は1つで十分だけど調子乗って2冊お買い上げ。劉俊謙のELLEはビニール包装されてるので綺麗に持って帰りたいからぐっと堪えて開けない! pic.twitter.com/IEO5FfHTts
— Rii @広東語勉強中 (@rii_in_asia) March 8, 2025
結果、誠品書店で広東語の本は思ったより少なかったのだが、上の2冊を買ってみた。
とくに真ん中の本はピンインつきで見やすいし、何となく実用的な気がするので気に入っている。2冊とも音声ダウンロードができる点も良い。劉俊謙が表紙の台湾雑誌もちゃっかりいい買い物だった。
私が中国語教室で使っている日本語の広東語教材は場面別の会話例+関連表現みたいな構成で、もちろんそれはそれで良いし私の練習不足に過ぎないのだが、シチュエーションにとらわれない広東語教材が手元にあると便利かもな~と思った。地味に気分転換にもなる。
打開策②ネットで広東語文法を学ぶ
私が知らなかっただけなのだが、こちらの「Hong Kong Vision」というサイトの広東語文法ページが「こういう文法ベースの教科書が欲しかった!」という私のニーズをど真ん中で満たしていて、最近見るようにしている。
文法的な説明と例文がまとめられていて、例文はネイティブの音声つきなのもありがたい。
通っている中国語教室で「じゃあ広東語で何か質問して!」と言われるのだが、正直教科書に載っている例文や単語しか知らないし、裏を返すと基本的な文型や単語をあまりにも知らなすぎて、フリートークが成り立たないことに今さら気づいた。
「Hong Kong Vision」は無料で読めるのが信じられないくらいの内容なので、もし知らない方がいれば、一度サイトを訪問されることを強くおすすめしたい。
ネイティブに教わる機会を有効活用したい
以前の記事でも少し書いたように、大学時代にも広東語を勉強しようとしたが、発音と声調が難しすぎてあっさり挫折したことがある。その反省を踏まえて、今回は発音と声調でとにかくつまづかないように、ネイティブの先生から直接教わることにしたのだった。

ただ、今回本腰を入れて勉強して改めて思ったのは、「ある程度のインプットがないとアウトプットもできない」という至極当然のことだった。
しかし、ネイティブに直接教わることのメリットもある。1つは、私が一番恐れていた発音でくじけなかった(くじける暇もなかった)こと。
1人で「フー→、フー⤴」と練習しても合ってるのか判断できないが、ネイティブに直接聞いてもらうことで「この発音は正しい、これは間違ってる」という判断基準が少しずつ分かるようになってくる。
また、教科書だけでは学びえることができない、いわゆる「生きた言葉」みたいなのもネイティブの先生に直接学べる。日常のあいさつとか、香港の広東語と広州の広東語で使う語彙が違うものとか、教わったものは多い。
あとはネイティブとの“フリートーク”を通して、適度に壁にぶち当たることも大事かもしれない。直接話をすると一発で自分の現在地がわかるので、一瞬へこむが「じゃあ次はこれを覚えよう」という次の目標を見つけられる。
個人的には、早く先生との広東語フリートークが成立するよう、当面はインプットとアウトプットをとにかく回していくしかないと思っている。
コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは!毎回楽しく拝見しています。
やっぱり実際にネイティブの先生に教わるって必要だな…と、広東語の教室を探そうと思いました、本当に発音が不明すぎる 笑
良いサイトを教えていただいてありがとうございます!さっそく見にいってみます〜
次回も楽しみにしております^_^
いつもありがとうございます!少し間が空いてしまい、失礼しました。
絶対ネイティブに教わらないと絶対無理、ということもないと思いますが、たしかに発音は難しいですよね……
蛇足なのですが、スマホに広東語キーボードを入れていて、1人で勉強するときはそれの音声入力で自分の広東語が通じるか試しています✨